祈りの社 岩津天神

毎月25日合格祈願特別祈祷 1、15日病除・健康祈願特別祈祷

天神さん四季だより

年に一度の願い事の日:七夕祭り

本日、天神さんの拝殿は、五色のスカーフをまとっています。
♪さ~さ~の葉 さーらさら~♪
拝殿前に設置された笹と五色の短冊が、さらさらと風になびきます。
「今日の装い、なかなかお洒落でしょ?」と微笑んでいるかのようです。

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短冊に書かれた「願い」。多くは子どもたちの手になるもの。
鉛筆の下書きの跡が見えます。イラストが描かれています。
一生懸命書いたんだろうなぁ...。
シールが貼ってあります。願いを叶えてもらいたくて、飛び切り大事なものを選んだことでしょう。
「○○になりたい」「○○がほしいです」「○○ちゃんと仲良くなれますように」。
ピュアな願いのオンパレード。一枚一枚が子ども達の分身、生命が宿ります。

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大人たちの短冊の多くを占めるのは、「家族の幸せ」「健康」の文字。
人間、さまざまな欲求があるけど、突き詰めるところ「幸せ・健康・仲良し」なのかも知れないなぁ
...などと感じ入ってしまいました。

特設の記入コーナーで、坊やが怖い顔をして短冊と向き合っています。
願いがいっぱいありすぎて決められない様子。
「ほら、ほしいものは?夢は?なりたいものは?」と傍らでお母さん。坊やの顔つきが一層険しくなります。
思わず「お庭を歩いて、ゆっくり考えてみたら?」と提案したところ、表情も崩さずコーナーを出ていきました。
あの子、結局なんて書いたのかしら?(7月1日取材)

夏をくぐる

天神さんのお山に登ると、空がだんだん高く見えてくるんですよね。不思議。
岩津商店街からワキに入って石の鳥居をくぐり、のんびり九十九折りの坂や石段を昇っていくうち、もしかしたら空に近付いた分だけ、青さが、風が雲が間近く感じられるからかも知れません。

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今日はその天神山の空に、茅(チガヤ)の穂がなびきました。
そのもとにはドッシリと大きな「茅の輪(ちのわ)」。
直径3m以上あるでしょうか。
太く括った茅の輪をくぐる「夏越の祓い(なごしのはらい)」という神事がとり行われたのです。

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梅雨どきとは思えない爽やかな空気の境内を、白装束の神主さんに続き、参拝者が粛々と茅の輪をくぐります。
職員さん手作りのチガヤの短冊を手に、ぐるりと三周、三回くぐり。
その間、「唱え(となえ)」を行います。
つまりは唄なんですが、まずは宮司さん、それに続いて参拝者も合わせて唄い始めます。

水無月の夏越の祓いする人は
千歳の命延ぶと云ふなり

シンプルで素朴、しかし深さを感じさせるメロディ。
静かに、しかし朗々と響く唄声。
岩津さんと皆さんの間に、こうして何年も唄い継がれてきたのかしら。
美しい......。不覚にも私、涙してしまいました。

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さて茅の輪、見た目の印象より太くて、またぐときは心せねばなりません。
そういえばバリアフリーが当たり前の昨今、"またぐ"いう行為自体が少なくなっていますものね。
赤いズボンの小さな坊や。
きっと心の中で「エイヤッ」と気合いを入れたことでしょう。
そして他の大人達と同じように、くぐった瞬間、何か不思議な瞬間を味わったかも。
何、これ? 言葉で表現するのは難しいなぁ。
清らかなものが降り注いでくるような、力が漲ってくるような。
輪っかの向こうに鎮座する願掛け撫で牛も、微笑みながら見守ってくれているようです。
(平成28年6月26日取材)

岩津天満宮 夏越しの祓いについてはこちら

参道を登る:石段

天神さんの境内に至るには、二つのルートがあります。
木立の中をゆったりうねる坂道と、石段。
どちらも好きでいつも悩んでしまうのですが、今日は石段にしましょう。

入口は、まずは太鼓橋(神橋とも)。
欄干に小さな願掛け願掛け撫で牛がおわします。
両手の平で包み込めるサイズですが「小さいけれど、ちゃんとご利益あるんだぜ」とでも宣うかのような、何とも愛らしく誇らし気な表情。

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太鼓橋を渡ったら、いよいよ石段を登りましょう。
見上げると、うっ、長いなぁ。さらにこの猛暑......。
しかし木立の中の石段は、足を踏み入れた途端に涼やかな風が流れて気持ちいいのです。マイナスイオンに満たされる〜。
深呼吸しながら傍らを見やると、朽ちた石碑に「金拾圓」「一金五圓」の文字。
いにしえの信者さんの寄付かな。歴史を感じます。

さあ、さらに登りましょう。
今日はきちんと段数を数えるぞ。
実は毎回トライするたび、途中で数が分らなくなってしまうのですが、今日はメモ帳持参! 146段!
後で調べたところ、境内の標高は約90m、石段の一番下は約76mで、標高差は約14mということになります。
ビルにして4階分位? 
うん、これを徒歩で登ろうっていうんだから、結構な距離です。

しかし、歩いて登るだけの価値が充分あるのです。

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まずは足の裏のあたりの心地良さ。ボコボコしていて気持ちいい〜。
長年の風化や人が踏むことで生じた凹凸が、足ツボを刺激してくれるのでしょうか。
そして表面の模様の面白さ。波形だったり、緑の苔が咲いていたり。美しい......。
眺めながら登りましょう。ちょっとしたアート観賞気分です。

さあ、いよいよ頂上です。
やった、建物4階分、登りきりました! 正面におわすのは大きな願掛け撫で牛。
登り人をずっと見守っていてくれたに相違ありません。

でもその前にちょっとしたお楽しみが。
登り切る途中左手、巻物をくわえた狐君が迎えてくれるその先に、小さな赤い鳥居がズラリと。見上げたり、石垣の上から見下ろしたり、何だか玩具箱を覗くような面白さです。
傍らにはひっそりと小さな蓮池。
至近距離で蓮花を観賞できる絶好のポイントです。

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赤い鳥居の奥には小さな祠。稲荷社です。
厳重に保護されているようですが、大切なものが守られているのかな?
それにしても正面から見ると、何だか顔のように見えてしまうのは、私だけでしょうか?

そういえば岩津さんには「顔?」と思えるものが結構あるのです。
今度、ラインナップしようかしら。(平成28年6月15日取材)

ドロンパ君と空中遊泳:ドローン撮影

今日はドローン撮影が行われるとのこと。ちまたで話題の空撮ですね。

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「ドローン」の名称に、ドロンパを思い浮かべる昭和世代も少なくないはず。
名作アニメ「 オバケのQ 太郎」の愛すべきキャラクターです。
ドローン自体を見てみると、レンズだかカメラ部分が顔のよう。
ボディの白地にグレーのボーダーがドロンパのウェアに似ています。
やっぱりオバケのドロンパです。今日、ドロンパが天神さんの上空を飛ぶのです。

ドロンパは空中を自在に飛び回れるようです。
ブーンと蜂の唸りのような音を立てながら、あらゆる方位を好きな速度で。
これを操るカメラマン氏。カメラマンって、操縦士でもあるんだ。

面白いのが境内でのカメラマンとアートディレクターの動き。
「まずここから、ぐーんと上がって、速度を落として」(腕を伸ばし、動きをひそめ)
「ここでくる~っと旋回して」「こんな感じですかね」(ひらひらっと手をひるがえし回転し)
「じゃあ、牛さんから上がって行こう。速度は...」。牛さんとは「撫で牛」のことですね。
これらを全身全霊で表現&意思疎通。
境内で踊る男性二名と上空のドロンパ君、三位一体の空中遊泳です。


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わたしもモニターを覗かせてもらいましょう。
.........絶句。
岩津の町並、新緑の天神さんのお山が、ゆっくりと広がります。
そこに横たわる拝殿や社務所の緑青色のいらか。
遠くにはキラキラ光る矢作川の水面。
わたしにもドロンパが乗り移りました。
いつも見上げる天神さんの上空を、今日は一緒に飛ばせていただきます。
背景に『新日本紀行』のテーマ曲が聞こえるかのようです。

ドロンパ君が、ゆっくり牛さんの上に降りて来ました。
ハイ、ご帰還。
大きく手を広げ、「うまくいったゼ、バンザイ!」。
笑っています。(平成28年5月23日取材)

天神さんで初めて毟(むし)るお祭りって何でしょう

一年の間に天神さんではたくさんのお祭りがおこなわれます。
なかなか出会えぬ光景なので、参拝時に偶然お祭りに出会えると、
良い事がありそうな気分になるもの。

5月に行われる「毟初祭」。
難解な漢字に思考回路が乱気流をおこしそうになりますが、「もぎそめさい」と読みます。
何を初めて毟(むし)るかというと、答えは「梅」。


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3月には可憐な花を境内いっぱいに咲かせて、楽しませてくれた梅の花。
早いもので、5月にはぷっくり可愛い青い実がたわわに実ります。
その採れたての初梅を天神さまにお供えするお祭りです。

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梅の実を採るのに使うのは「青竹」。
青竹で梅の木をワサワサっとやって、実をふるい落とします。
神様にお供えするのに手づかみではいけないのだろうか、
それとも枝の高いところにある実をとるために、
かつて昭和を一世風靡したあの高所用剪定ハサミのような意味合いで竹なのかな、
竹だと一気に沢山の実をふるい落とせていいのかなと、
天神さまならではの珍しいお祭りを見学しました。

今年の梅の実は、ぷくぷく大きく艶があって、それは美味しそう。
天神さまもきっと満足していることでしょう。(平成28年5月22日取材)

岩津天満宮毟初祭についてはこちら