祈りの社 岩津天神

毎月25日合格祈願特別祈祷 1、15日病除・健康祈願特別祈祷

天神さん四季だより

[高い所に登りたがる人たち] 紅葉から迎春へ カメラマンズとADとドローン君、四位一体の撮影

前に私はここに、紅葉の季節にドローンで空中遊泳をしたいと書きましたが、ついに願い叶ったり!


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この日早朝、夜明け前。すでにADさんとカメラマンズ(二人)、
ドローン君がスタンばっておられます。
ドローン君が飛び立ちます。ゆっくりゆっくり空中遊泳を開始します。
「あそこはちょっとバーッと」「そうだね、それがいいね」
ADさんとカメラマンズ、また岩津天満宮専門撮影用語で喋っています。
それに合わせてドローン君は旋回したり、紅葉の樹冠を舐めるようにくぐり抜けたり。
四位一体の動き。

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モニターを覗かせてもらいました。スゴイ!
雲の合間からうっすら漏れる光に浮かび上がる天神さんの緑の屋根のシルエット。
お山はまるで一つの園庭。
色とりどりのカリフラワーを敷き詰めたようにも見えます。

一緒にモニターを見ていた宮司さん。
「不思議だなぁ。例年、緑から黄色、赤へと色が変るんだけど、
今年は黄色を通り越していきなり赤になっちゃった」

完成動画は常時、社務所で上映されるそうです。絶対に見に行かなくては。

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今朝の岩津天満宮撮影隊のお仕事は、これだけに留まりません。
迎春のポスターの撮影。ドローン君に代って登場するのが脚立です。

生身の人間が重たいカメラを携え、支えもなしにこんなに高所で作業できるもんでしょうか。
すごいバランス感覚。
「もっと高い位置から撮影するため、台を手作りしたこともあるよ。
カメラマンは工務店も兼ねているんだよ」とAD氏。

高所恐怖症じゃないこと、大工、重い機材を担ぐのが苦にならないこと。
これを満たしたならカメラマンの素養があるかも。
ドローン君が憑依して、もっと高い所から風景を見せてくれるかも。(平成28年11月21日取材)

参拝者の想像力を掻き立てる、赤・紅・錦色 「お山は紅葉真っ盛り。深く紅葉呼吸」

天神さんの境内に上るには、二つのルートがあります。
ひとつが石段。もう一つが「つづら折坂」。わたしが勝手に名付けました。
九十九折りは、正しくは下ったり上がったりする坂を言うみたいですが、ヨシとしましょう。

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今日11月の「つづら折坂」は、例年通り紅葉真っ盛り。
見上げれば一面の紅天井。その隙間からキラキラと青空。たまりません。
この角度から見るのもいい、この位置の木漏れ日もいいと、
ゼイゼイと息をしながら坂を上ったり下りたりするうち、
体内が紅色に染まっていくようです。
紅葉深呼吸。体に良さそう。

「つづら折坂」だけではありません。天神さんのお山をすっぽり包み込む
何億、何兆、何京、無量大数枚以上あるかも知れないカエデの葉っぱ、
どれ一つとして同じ色はないんだろうなぁ。
上空から見たら、さぞやかしたの綾錦具合でしょう。
ドローンになって、空中遊泳したい。
春の梅色、秋の錦色。天神さんのお山を染める「色の対」ですね。

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お山全体が赤い鳥居になって、その中を歩いているみたいでもあるなぁ...
などと想像を膨らませながら、ふと行く先を見やると、
ズラリと並んだ赤い鳥居。紅葉の衣装をまとっています。
何だかおトクな気分。「二度美味しい光景」なんて言ったら不謹慎?
(平成27年11月30日取材)

只今、岩津天満宮の紅葉の見頃です。ぜひお出かけ下さい。

稲穂と中学生の瞳が黄金色に輝く秋の朝 「抜穂祭」

今日の目当ては抜穂祭。「ぬいぼさい」と読みます。
拝殿前で大切に育てられた稲穂がいよいよ頭を垂れ、実りの季節を迎えたことに、感謝を捧げる神事です。
毎年、定まった日程はなく、成育状態によって決めるようです。
今年は例年より一ヶ月遅い10月末のこの日。

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どんな神事なんだろう?と待ちかまえていると、石段の下から楽しげな声。
中学生のグループです。ワン・ディ・フリーという授業の一環で、
自分たちで予定を組み、市内の歴史的・伝統的拠点を巡っているのです。
願掛け牛を撫で「頭がよくなりますように!」とキャッキャとはしゃぎ、楽しそう。

そこで、今からちょうど抜穂祭が執り行われることを告げると、
「わっ、見たい~。どうしよう」「昼食時間を短縮すればイケルよ!」。
みんなで顔を合わせて、スケジュール調整を始めました。

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神職さんたちが粛々と登場。白装束と五色の拝殿と黄金の稲穂、美しい...。
中学生集団、スッと姿勢を正します。

宮司さんの朗々たる口上。腹の底から湧き出るような、いいお声だなぁ。
雨の恵みや「スクスクと」という表現や、「今は黄金の季節を迎え」など、
収穫に感謝する言葉が聞き取れます。
合間に2回、「おぉ~~~~~~」。
長く長く長く、息が続く限りのお声。まるで深い森の中で聞くよう。
これは「人の声」ではなく、何か別の「音」ではないだろうかと
聞き入りつつ宮司さんのお顔を見ると、あれ、唇が開いていない?
口を閉じたままこの大音量を発していらっしゃる?

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最後に、ザクッと稲に鎌を入れます。
辺りに清々しい匂いが立ちこめます。

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この間、中学生たち、静止し、神妙に頭を下げています。
しかし瞳からキラキラと光線が。視線をくるくると回転させているのです。
「滅多に出合えぬこの神事、何事も一瞬たりとも見逃すな」

終了後、感想を聞くと、
興奮を抑えきれない様子で「良かった」「すごかった...!」。
伝えた側としても嬉しい限りです。
偶然にしてこんな光景に巡り合えたなんて、君達、ラッキーだね。
(平成28年10月25日取材)

岩津天満宮 抜穗祭についてはこちら

梅鉢コレクション

梅鉢コレクション
花も実もないこの時季に、梅鉢満開とは愉快だな

「梅鉢」、日本古来の文様。愛らしいデザインで、女性に人気なのも頷けます。ハイ、わたしもその一人。
今日は梅鉢採集のために天神さんを訪れました。あちこちに意匠を凝らした梅鉢が百花繚乱。いずれも個性豊かで、本物(生もの)に負けない面構え。

■写真左:天狗鼻のように見える梅鉢。
■写真右:屋根の上におわす梅鉢は着物を着た道真公に見えます。

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■「なおらい」の中庭に、梅3姉妹発見。枝垂れ梅が満開の季節の様子を待受にしたら、ご利益ありそうです。

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■写真左:石灯籠めぐり。古い石灯籠に彫られた2種類の梅鉢が、デザインもタッチも違います。
別々の職人さんの手なるものでしょうか。
「相手方をチラッと見ながら『俺の方がいいもんね』と意識しながら彫ったにちがいない」と、
灯籠の廻りを何度もグルグル回るわたし。怪しいかも。
■写真右:古時計にも梅鉢が。

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■写真左:大屋根の裾にひるがえる梅鉢曲線。レース飾りとか、フリルのようにも見えます。
■写真右:おごそか。「威風堂々梅」と名付けました。



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■願掛け牛の群れが大量の梅味のオニギリに見えたのはまだ分かるとして、
美味しそうと唾を飲んだのは、我ながら妄想膨らみすぎです。

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(取材:平成28年10月20日)

去年の今夜

9月15日は「秋思祭」。

秋を思うおまつりとは風情があります。
仕事を終えた夜の9時。
ひっそりと静まりかえった境内から一人月を眺めよう、
何ともロマン溢れる時間ではないかと、
灯りの消えた参道の階段をカメラ片手に登りました。

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いくら田舎とは言え、現代社会はどこも明るいものです。
街灯もない暗闇を感覚だけでヒタヒタと登るのは、
野生動物にでもなったような気分で、かなり楽しいものです。
途中で見事にすっ転んだことは内緒にして。

「去年の今夜 清涼に侍す 秋思の詩篇 獨り斷腸
恩賜の御衣 今此に在り 捧持して毎日 餘香を拜す」

去年の今夜、清涼殿にて帝のおそばでお仕えしました。
「秋思」という題で詩をつくったこと、今では断腸の思いです。
帝から賜った御衣は今も捧げ持って、余香を拝しております。

これは、太宰府での道真公の気持ちをあらわした漢詩です。
御衣に残されたその人の香りで、帝を思う。
百人一首でも、文に焚きしめた香や着物の移り香など、
「香り」というのは大事なスパイス。
日本人にとって香りというのは昔から大事な要素だったのですね。
ふっと漂う風のかおりなど、
香りがきっかけで懐かしい記憶や懐かしい人の顔が蘇ることもあります。
思い出というのは頭の中だけじゃなく、
五感で感じて心に残るものだと常々思っていますが、
香りは、一番強く心に届くのかもしれませんね。