祈りの社 岩津天神

毎月25日合格祈願特別祈祷 1、15日病除・健康祈願特別祈祷

天神さん四季だより

登場人物として描かれるということ 『柄澤照文「四」屏風展』

「大正五年の岡崎まち屏風」「岡崎城下町図」「足助山車まつり図」「三河一向一揆図」。
柄澤照文さんの渾身の作品たちが、一堂に会します(会期:9月30日まで)。
見入ります、魅入ります。何度も拝見したけど、その都度新しい感動があるのです。

柄澤さんは、水の色や水辺の人々の様子でも世相を表現しているみたいです。
「大正五年」の水の色はペパーミントグリーン。
子ども達が魚すくいやタライ舟に興じています。
岸辺でのどかに憩う一家の坊やが手にしているのは「木の芽田楽」。

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「城下町屏風」の川は藍色。お花見を楽しむ一家の毛氈の赤との対比の鮮やかなこと。
しかし「一向一揆」の中に、遊ぶ子どもの姿は見当たりません。
それどころかどの登場人物も怖い目をしています。

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おや、「大正五年」に、牛と睨み合っている御仁がいます。
当時、牛馬と人は近しい関係にあったんだろうなぁ。

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龍城神社の北に「にわとり坂(明治8年11月開通)」なるものを発見。
何だろう、これ。鶏? それとも「庭」とか「丹」を使った他の何か?
今度この辺り、歩いてみよう。

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NHKの紹介番組のなかで柄澤さんは、なぜ屏風を描くかの問いに対し
「たくさんの人物を描けるから」と答えていらっしゃいました。

以前、同じく三河の作家さんが描く群衆の一人に我が姿を発見し、
大喜びしたことがあります。
その感動をひもとくと、絵の中に、まるで千年の齢を得たような...。
柄澤さんの屏風の登場人物たちも喜んでいるに相違ありません。

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これで完成。正直言ってちょっと寂しい。
「制作中展」で柄澤さんが屏風を作り上げていく過程を何度も拝見するうち、
自分も制作に加わっているような気分になっていたんですね。
でも、柄澤さんの中には次なる構想があるみたいです。
またたくさんの"登場人物"と会えるのです。
いやいつか、自分も登場人物の一人になれたらいいな。

(平成29年7月26日取材)

※屏風絵は岩津天満宮洗心の間と余香殿なおらいにて展示中です