祈りの社 岩津天神

毎月25日合格祈願特別祈祷 1、15日病除・健康祈願特別祈祷

天神さん四季だより

去年の今夜

9月15日は「秋思祭」。

秋を思うおまつりとは風情があります。
仕事を終えた夜の9時。
ひっそりと静まりかえった境内から一人月を眺めよう、
何ともロマン溢れる時間ではないかと、
灯りの消えた参道の階段をカメラ片手に登りました。

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いくら田舎とは言え、現代社会はどこも明るいものです。
街灯もない暗闇を感覚だけでヒタヒタと登るのは、
野生動物にでもなったような気分で、かなり楽しいものです。
途中で見事にすっ転んだことは内緒にして。

「去年の今夜 清涼に侍す 秋思の詩篇 獨り斷腸
恩賜の御衣 今此に在り 捧持して毎日 餘香を拜す」

去年の今夜、清涼殿にて帝のおそばでお仕えしました。
「秋思」という題で詩をつくったこと、今では断腸の思いです。
帝から賜った御衣は今も捧げ持って、余香を拝しております。

これは、太宰府での道真公の気持ちをあらわした漢詩です。
御衣に残されたその人の香りで、帝を思う。
百人一首でも、文に焚きしめた香や着物の移り香など、
「香り」というのは大事なスパイス。
日本人にとって香りというのは昔から大事な要素だったのですね。
ふっと漂う風のかおりなど、
香りがきっかけで懐かしい記憶や懐かしい人の顔が蘇ることもあります。
思い出というのは頭の中だけじゃなく、
五感で感じて心に残るものだと常々思っていますが、
香りは、一番強く心に届くのかもしれませんね。

ふしぎで幻想的。夏の終わりの宵まつり

8月25日は岩津天満宮の献灯祭。

やっぱり日本人に似合うのは着物。
見た目も涼やかな浴衣姿で小粋におまつりに参加せねば。
ぐるぐる巻きの帯に心でグググ苦しいと悲鳴をあげつつも、
下駄をカランコロンと鳴らし遊びに行ってきました。

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行ってみて驚きました。
今の時代じゃないのですよ、ここは。
時代も空間もグニャリとタイムスリップして、日本昔ばなしの世界に迷いこんじゃったんじゃないかと。

すっかり日が暮れて夜の静寂がおりた天神さんのお山の長い参道は、
ちょうちんの白くぼんやりした灯りが連なり、
ちょうちんお化けが足下を照らしてくれてるよう。
えっちらおっちら、慣れない浴衣と下駄で境内にのぼると、何と言うことでしょう!

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何とまあ、驚きの幻想的な世界が広がっているではありませんか。
あらやだ、こんな近くに世界遺産が!と思うほど。
漆黒から紫のグラデーションに染まった宵の境内は、
ロウソクの炎がゆらゆら揺れる竹のぼんぼりで一面うめつくされて神秘的。
思わずボ〜ッと揺れる炎をいつまでも眺めてしまいます。
さすがゆらぎ1/f。炎って見ていると落ち着きますよね。

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浴衣姿の人も沢山います。
ぼんぼりの灯りに照らし出される浴衣姿のシルエット。いいものですねえ。
嬉しいことに、浴衣で訪れるとご祈祷と梅カルピスのサービスがあるようです。
ぜひ行くべきですよ、浴衣で。
境内ではビアガーデンに夏らしくボサノバのライブも。
皆さんビール片手にやきとり、枝豆と、わいわいがやがや楽しい声が夜の境内に響きます。

むんと暑く火照った空気。
ちょっと寂しい夏の終わり。ゆれるぼんぼりの灯り。遠くで響く笑い声。
日本の夏まつりの、楽しくもどこかちょっと切ない感じ。
これがまた日本の夏らしくていいではありませんか。ねえ。(平成28年8月25日取材)

岩津天満宮献灯祭についてはこちら

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